女性が幸せになるセラピーを目指して(1)
アロマとの出会い、体と心に作用するアプローチ
加藤 今回、アロマテラピーをフューチャリングしたワークショップを私たちで行うわけですが、石坂さんの普段のお仕事について教えて頂けますか?
石坂 メディカルアロマテラピーサロン・スクール「風ら花」の代表をしています。アロマを基本にハーブも使ってトリートメントをするセラピストとしての施術、スクール、そしてクライアントのホロスコープを分析し、個々に合った精油でその方らしい人生が歩めるように「お守りアロマ」を提供しています。その精油のセレクトにダウジングを使っています。
加藤 セラピーとしては、どのような内容になりますか?
石坂 一言で説明するのは難しいのですが、「女性が幸せになる」ためのセラピーをしています。その「幸せ」の中には、美しさとか、心が軽くなるとか、自分が好きになって自己肯定感が増すとか、いろいろな要素があります。クライアントの要望に応える形で内容が充実してきたという感じです。
加藤 スクールでは何を教えていらっしゃるのですか?
石坂 施術の技術も指導していますが、特にアロマ、それもメディカルなアロマの分野を教えることに力を入れています。つまり、それぞれの精油にどのような成分があり、その各成分がどのような作用があるかというようなことをしっかりと踏まえて使っていくというようなことです。
加藤 アロマとの出会い、関わるようになったきっかけは?
石坂 母が薬剤師をしていたこともあり、何かあるたびに薬を飲むということが多かったんですよ。それによって、かえって体調悪くなる、虚弱になる、免疫力が落ちるといった現象が起こり困っていました。そこで今使っているメーカーの精油と出会ったことで、薬を使うことなく喉の不調が改善していきました。それがアロマの世界に入るきっかけだったと思います。
加藤 化学薬品の過剰摂取により体調を崩したということですが、具体的にはどのような不調があったのですか?
石坂 風邪を非常に引きやすくなり、喉が過敏になりすぎてしまったのです。ちょっとしたことですぐにせき込んでしまうという症状で悩んでいました。
加藤 喉が不調だったために、いろいろな薬で治療をしたが、状態はどんどん悪化してしまったということですね。アロマはその時どのような使い方を?
石坂 適応するアロマを喉に塗るということをしていくと症状が改善していき、症状を抑えるための薬の使用はどんどん減り、最後は何も薬を使う必要は無くなっていました。つまり、薬の代わりにアロマを使うことで完全な症状改善をすることができたのです。その効果にとても驚いたことを記憶しています。
加藤 精油は直接、喉に塗っていいんですね?
石坂 はい、希釈することで直接、肌に塗ることができます。もちろん喉の中に塗ったわけではなく、喉の外の皮膚に塗ります。※末尾注(1)参照
加藤 そういった喉の不調となると、使うアロマは決まってくるのですか?
石坂 その時はユーカリ・ラディアタ、ラヴィンツァラ、この二つの精油を使いました。
加藤 そのアロマとは、どんなきっかけで出会ったのですか?
石坂 通っていたエステティックサロンで勧められたのがきっかけです。そこのオーナーに選んでもらった精油を使ったのです。
加藤 アロマの活用法は、その時のように身体的な不調の改善以外にもありますか?
石坂 例えば、香りを嗅いでメンタルを整える、ということがありますが、香りは本能に関わる脳の部分にダイレクトに作用するので、単にリラックスということではなく、目に見えない深いところに働きかけたりもします。そのため、自然に涙が流れ出すということもあり、表層のある心理状態だけではなく深い部分にアプローチするので、深層心理の部分の癒しにつながることがあります。
加藤 体と心に作用をするということですね。
石坂 はい。ただ、使い方には違いがあります。体にアプローチするのは、皮膚塗布をして毛穴から血流に成分が吸収されるという使い方ですが、心理的な部分へのアプローチは香りを鼻から香るという方法になっていきます。とはいっても、鼻からの香りの効能は心のみならず体への作用もあります。例えば、ローズの香りを嗅ぐことで閉経していた人の生理が始まったというようなこともありました。
加藤 逆の話で、皮膚塗布をしたら体だけに作用して心には作用をしないということでよいのでしょうか?
石坂 自律神経には皮膚塗布でも働いていきます。副交感神経を高めて、心をリラックスさせるというような効果もあります。※注(2)参照
※注(1)
エッセンシャルオイル(精油)は植物から抽出された天然由来の原液のことを指す一方で、アロマオイルはエッセンシャルオイル(精油)に加えて香料・キャリアオイル・無水エタノールなどが添加されている製品を指します。 エッセンシャルオイル(精油)は原液のため刺激が強く、肌に直接塗る場合は希釈をします。この会話でアロマと言わずに精油という言い方を石坂さんがすることが多いのは、彼女が植物から抽出した添加物を含まない天然由来の原液であるエッセンシャルオイル=精油を使っているためです。添加物のあるアロマオイルとは違うということが意味されます。
※注(2)
ストレスがかかると、自律神経系は交感神経が優位になり、体は常に緊張を強いられる状態になってしまいます。この状態が続くと、ストレスがたまることで交感神経が優位になる→緊張状態を強いられることでストレスが解消できない→新たなストレスが溜まる、と悪循環に陥ってしまうのです。アロマのもととなる精油には様々な効果が期待でき、中でも鎮静効果を持つアロマは数多く存在します。実際に、鎮静効果を持つアロマは自律神経系に働きかけ、副交感神経を優位にすることがわかっています。高ぶった交感神経をなだめ、副交感神経を優位にし、自律神経をリラックスした状態に導けるからこそ、アロマはストレス解消をし、リラックスの効果が期待できるとされているのです。
アロマを活かす・実践ダウジグセラピー入門講座