自分の中の世界を形にする(1)
演じる=舞台の上で役を生き抜く。その姿は、たとえ物語という虚構の中であっても、観客の感情を振るわせる。観る者に影響を与えるほどの芝居はけっして多くはないだろうが、その高みに挑戦し続ける演劇ユニットがある。
日本ダウジング協会が協賛する彼女たちの舞台公演に際し、当協会の加藤が稽古場を訪ね、主宰の一人、望月海羽さんに話を伺った。
望月海羽は、リーマンショック女優?
加藤 海羽さんとはもう何度も会っているけど、演劇の世界に入った経緯をまだ聞いてなかったかなと。
海羽 きっかけはリーマンショックですよ。私、リーマンショック女優なんです(笑)。モデルやアイドルをしていた時期もありますが、ずっとお芝居は好きでした。大学では高分子工学といってプラスチックに電気を通す研究をしたんだけど、ちょうど就職活動の時期にリーマンショックで採用枠がなくて。だったら好きなこと、やりたいことをやろうと。
加藤 それから、アイドル歌手を経て、演劇の世界へ?
海羽 はい。オーディションを受けて、最初に獲得した役がぶっ飛んでて、宇宙人が好きなギャルでした。やってみて「面白いな」って気付いて。お芝居はそもそも作りもので、言わば妄想じゃないですか。でも自分の中の世界が形になるんだって思って。
加藤 自分で劇団を始めたのは、どういう経緯で?
海羽 自分の中で節目だった30歳の誕生日に思いつきと勢いで(笑)。自分で脚本を書いて上演したいと思って旗揚げしたのが「縁劇ユニット 流星レトリック」です。
加藤 「縁」という言葉を使っているんだよね。そういえば以前、ダウジングヒーリングに関心があることを聞いたよね。
海羽 ダウジングは人の心を癒して、自分と向き合うことができるじゃないですか。演劇も共通するなぁと思って。本当はこうだったらなっていう優しい世界があってもいいんじゃないかなって。自分はこうありたかった、こんな人と出会いたかったとか。それを芝居を観ることで叶えることができたり。だから、ダウジングと芝居を融合させたら、すてきな作品になるんじゃないかと。
加藤 それで今度の公演では、ダウジングをモチーフをすることに?
海羽 そうです。自分が書いた脚本に出演するのは、初めてです。