本物と出会えば、「感性」が開く!(1)
ダウジングが重要なモチーフとして登場する映画をご存じだろうか?
2014年公開の『ぶどうのなみだ』(日本ダウジング協会が監修)は、理想のワインづくりに苦戦している男(大泉洋)の畑に、Lロッドを握った女性がふらりと現れるシーンから始まる。
ワインはぶどうから作られ、そのぶどうは大地の恵みを存分に吸い上げて育っていくもの。ワインとダウジング。一見、何の関係もないこのふたつには、どんな共通点があるのか。
日本ダウジング協会の加藤が「感性を開くワイン会」を主宰する我妻悠さんのもとを訪ねて話を伺った。
同じ品種・同じ樽で作っても、品質が異なる奥深さ
加藤 映像クリエーターとして活躍されている我妻さんが、ワインと深く関わるようになったのは、どのような経緯からですか? やっぱり好きだったから?
我妻 もちろん、元々お酒好きで、父母も飲む人で自然と飲む環境があったのと、やはりお酒そのものをおいしいって感じてきたからでしょうね。昔から友人たちと飲むのも好きです。そのときはふつう、ビールから始まりますけど。
加藤 それからご自身はワインへ?
我妻 ですね。僕が本格的に取り組むようになったのは、友人のご縁でフランスのボルドーのワイナリー巡りをしたこと、そして食事と合わせて楽しむ奥深さを知ったというのが大きいです。 ワインをどう食事と合わせるのかを考えるわけです。食べ物も引き立ち、ワインも引き立たせるのって正解はなくて、でも、すごいクリエイティブなんです。
加藤 我妻さんの仕事とつながるところもあるわけですね。じゃあ、ワインと料理のベストマッチを見つけたりすると?
我妻 それは、すごくうれしいですね。とくに前例がなかったりすると。
加藤 そもそも、ワインってどのへんが〝おいしさ〟なのでしょう?実際、わかって飲んでいる人はどれくらいいるのかと思うときもあって。
我妻 本当に美味しいワインと出合ったどうか、ということも大きいと思いますよ。たとえば、品質の面で見ても、本当に奥が深いものです。例を挙げれば、なんかすっぱいとか、口の中に残るとか、そんなワインをブショネ(味がよくない、いわゆる劣化したワイン)というのですが、なぜプショネが出るのかは、まだわかっていないんです。同じ樽で同じ品種や材料でまったく同じように作っているのに、ブショネが出てしまう。
加藤 じゃあ、栓の締まり具合とか、何かの混入とかとは、限らないわけですね?
我妻 ええ。ブショネは一般的にコルク栓が原因と言われていますが、スクリューキャップでも起こるので、いろんな要因があるのだと思います。
加藤 目に見えないものもあるんですかね。たとえば、その醸造所のエネルギーとか、関わる人の思いとか?
我妻 たしかに。それもあるかもしれないですね。ところで、加藤さんはカロン・セギュールという銘柄をご存じですか? ちょっと高いワインですが。
加藤 あります。お店のママさんがよく薦めてきてくれます。ママさんは、お金をつくる魔法のワインって呼んでます(笑)。
我妻 そうですか(笑)。カロン・セギュールは、ラベルがかわいいこともあって、日本でも人気ですね。価格はともかく、僕はこのカロン・セギュールの1904年というビンテージを飲んだとき、覚醒するという感覚がわかったんです。まったく酔わないんですよ。酔わないので、体中の感覚が開く。そのときに「なんてワインってすごいのか!」と思って。
加藤 たしかに、とっても飲み心地がいいワインですよね。だから、じゃんじゃん飲んでしまう。安いワインにも飲みやすいものはあるんだけど、頭が痛くなってしまうのに……、そんなことはない。我妻さんそういう経験を経て「感性を開くワイン会」を始められたわけですね。